新NISA（少額投資非課税制度）は、日本政府が個人投資家の資産形成を支援するために導入した制度です。
新NISAは、従来のNISA（ニーサ）を改良し、より多くの人々が投資を始めやすくすることを目的としています。この記事では、新NISAの現在の総口座数と、今後の展望、政府の目標、そしてデメリットについて詳しく解説します。
新NISAの総口座数
2024年5月時点で、新NISAの総口座数は約1,500万口座に達しています。
この数は、個人投資家の間で新NISAが非常に人気であることを示しています。新NISAは、年間の非課税投資枠が拡大され、長期的な資産形成を支援するための魅力的な制度となっています。特に、20歳以上の成人が利用できることから、若年層からシニア層まで幅広い年齢層での利用が進んでいます。
新NISAの人気の背景には、投資のハードルが下がったことが大きく影響しています。従来のNISAでは投資額や商品選択に制限がありましたが、新NISAではその制限が緩和され、多様な商品に対して投資できるようになっています。また、長期的な資産形成を促進するための非課税期間の延長も、新NISAの魅力を高める要因となっています。
そもそもNISAで儲かるのか？
新NISAの特徴
新NISAの大きな特徴として以下の点が挙げられます。
年間投資枠の拡大: 新NISAでは、年間投資枠が従来のNISAよりも拡大されており、より多くの資金を非課税で投資できるようになっています。これにより、投資額の増加が期待され、個人投資家にとって非常に魅力的な制度となっています。
投資期間の延長: 新NISAは、従来のNISAよりも長期的な投資を奨励しており、非課税期間も延長されています。これにより、投資家はより安定したリターンを目指すことができ、長期的な資産形成が促進されます。
投資対象の多様化: 新NISAでは、株式や投資信託だけでなく、より多様な金融商品が投資対象となっています。これにより、投資家は自分のリスク許容度や投資スタイルに合わせた商品を選択しやすくなっています。例えば、不動産投資信託（REIT）や海外株式など、従来のNISAでは投資が難しかった商品にもアクセスしやすくなっています。
若年層へのアプローチ: 新NISAは特に若年層へのアプローチを強化しており、若い世代が早期に資産形成を始めることができるように設計されています。これにより、将来的な財政的な安定が図られ、老後の不安を軽減する効果が期待されます。
新しいNISA制度と現行NISAとの違い
新NISAと旧NISAの違いについて、最新の情報を基に表付きで詳しく解説します。
新NISAと旧NISAの概要
| 項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 目的 | 一般の投資促進と資産形成支援 | 長期的かつ安定した資産形成支援 |
| 投資上限額 | 年間120万円 | 年間360万円 |
| 非課税期間 | 5年間 | 20年間 |
| 生涯非課税限度額 | 600万円（5年間×120万円） | 1,800万円（成長投資枠1,200万円 + つみたて投資枠600万円） |
| 投資対象 | 株式、投資信託 | 株式、投資信託、特定個人向け債券 |
| 特徴 | 短期的な投資向け | 長期的な資産形成向け |
旧NISA
旧NISAは、一般の人々に投資を促進し、資産形成を支援するために設けられた制度です。
年間120万円までの投資が非課税対象となり、非課税期間は5年間です。生涯非課税限度額は600万円（5年間×120万円）です。投資対象は株式や投資信託などが含まれます。比較的少額で短期的な投資を行う人に適しています。
新NISA
新NISAは、より長期的かつ安定した資産形成を支援するために改定された制度です。
年間360万円までの投資が非課税対象となり、非課税期間は20年間です。生涯非課税限度額は1,800万円で、成長投資枠1,200万円、つみたて投資枠600万円に分かれています。投資対象は株式、投資信託、特定の個人向け債券など幅広くなっています。
生涯非課税限度額の再利用
新NISAでは生涯非課税限度額という仕組みが導入されています。
この仕組みにより、以下のように非課税限度額を再利用することが可能です。
- 初年度から5年目まで: 毎年360万円ずつ買付を行い、5年目に1,800万円に達する。
- 6年目: 新規の買付は不可。
- 保有商品を売却: 例えば、5年目に100万円分の商品が1,000万円に成長し、それを売却。
- 翌年（6年目）: 5年目に売却した100万円分の生涯非課税限度額が復活し、再び新NISAでの買付が可能になる。
再利用の具体例
| 年度 | 年間買付額 | 累計買付額 | 生涯非課税限度額の残高 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 初年度 | 360万円 | 360万円 | 1,440万円 | |
| 2年目 | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 | |
| 3年目 | 360万円 | 1,080万円 | 720万円 | |
| 4年目 | 360万円 | 1,440万円 | 360万円 | |
| 5年目 | 360万円 | 1,800万円 | 0円 | 生涯非課税限度額に達する |
| 6年目 | 0円 | 1,800万円 | 0円 | 新規買付不可 |
| 5年目に100万円分の商品を売却（1,000万円に成長） | 0円 | 1,700万円 | 100万円 | 売却により翌年に100万円分の枠が復活 |
| 6年目 | 100万円 | 1,800万円 | 0円 | 売却分の非課税枠を再利用可能 |
利益を出して売却で枠が復活！
新NISAと旧NISAの主な違いは、投資上限額、非課税期間、生涯非課税限度額です。旧NISAは年間120万円の投資が5年間非課税で、生涯非課税限度額は600万円です。一方、新NISAは年間360万円の投資が20年間非課税で、生涯非課税限度額は1,800万円です。
また、新NISAでは保有商品を売却することで、売却した分の非課税枠が翌年に復活するため、再び投資を行うことが可能です。
新NISAにおいて、5年目に1,800万円の投資枠のうち100万円分を投資し、その資産が1,000万円に成長して売却した場合でも、翌年に復活するのは100万円の投資枠です。
売却によって得られた利益額ではなく、元々投資した取得価額分の枠が復活します。
すなわち、投資に対するリテラシーを高め、投資が軌道にのれば相当なリターンを見込めます。
これらの違いを理解することで、自分の投資スタイルに最適なNISAを選ぶことができます。新NISAは、長期間にわたる安定した資産形成を目指す人々にとってより有利な制度となっています。
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